沖縄県の鉄道研究の第一人者、ゆたかはじめさんの最新作が発売されました。沖縄のLRT計画や南北縦貫鉄道計画がとりざたされるなか、新しい鉄道に期待しつつ、かつて存在した沖縄の鉄道を振り返ります。
沖縄タイムズ
ゆたかさんの名前は宮脇俊三さんの本で知っていましたが、著書の拝読は初めて。ゆたか氏には過去にいくつもの著作がありますから、たぶん今回は新しい視点となりましょうか。史実を追う学術書ではなく、資料性の高い紀行文となっています。とても読みやすい。かつての県営鉄道や路面電車のルートをたどり、まるで今も鉄道があって、列車に乗って旅をしているような気分になりました。
沖縄の鉄道は戦災で絶滅しました。しかし、名護にも鉄道計画があったとか、南には砂糖産業のトロッコ鉄道網があったとか。戦争がなければ、今も鉄道王国だったかもしれないんですね。
そんな沖縄で、政府はトラムトレインの実現に向けて調査をしており、どう考えても赤字という結論。沖縄県は小型リニア地下鉄で黒字可能と主張。ゆたかさんは沖縄の文化、県民性を考慮して、まずは那覇と与那原のLRTで実績をつくろうと呼びかけています。
沖縄は本土から離れています。だからこそ、相互乗り入れや他の路線との接続など気にしないで、独自に理想的な鉄道網を作れるんですね。沖縄は鉄道のフロンティアだなあ。本書を読んで、沖縄の未来が楽しみになりました。
沖縄にいきたいな。都ホテルに泊まって、裏庭に保存された橋脚に触りたい!
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