汽車旅のしおり

ビジネスホテルを予約するなら、私のお薦めは楽天トラベルです。オススメな理由は、ホテルの紹介がすべて共通のフォーマットで比較しやすいこと。候補リストを価格順に並べ替えできること。そして何よりも、実際に泊まった人の感想がたくさん書き込まれていることです。そのひとつひとつにホテル側がコメントできるようになっています。良い評価が多ければ安心できますし、悪い評価があったとしても、ホテル側が丁寧な対応をしていれば好感が持てます。逆に、ホテル側のコメントがない場合は、良い評価ばかりでも不安になります。ここでホテルを選択して、ハズレを引いたことがありません。

次のオススメはグリーンズ系列です。関東ではなじみの薄いブランドですが、愛知県より西側では有名だと思います。駅に近く、安く、清潔です。個室からのインターネット対応も進んでいます。ここは楽天トラベルの前身の『旅の窓口』というサイトで見つけました。可部線／広島市電の時に泊まったホテルエコノ広島が快適だったので、名鉄岐阜軌道線の時はコンフォートホテル岐阜に泊まりました。どちらもグリーンズ系で、ホテルエコノ広島はいま、コンフォートホテル広島になっています。ちょっと格上になった、ということでしょうか。

グリーンズ系は関西方面が中心ですが、似たようなホテルは関東にもあります。東横インです。横浜市の条例違反をはじめ、全国で検査後の改築が問題となてりました。あれだけ騒がれたし、世間も快く思っていないかもしれません。しかし、駅に近く、インターネットが使えて、トイレは温水シャワーつき。汽車旅にとってはとても便利な宿です。反感を怖れずに私はオススメします。友の会の会員にもなりました。20泊すると１泊無料です。そんなに泊まるかどうか不明ですが。鳥取で泊まったときは、たまたま祝日だったので通常より1000円安い会員価格が適用されました。こっちのほうが魅力です。いろいろ騒がれていることも、私には実害のないことですし、実害のない人間が口を出すべきではないと思います。

さて、ほぼ終電で到着し、翌朝は始発で出発すると、滞在時間が８時間以内になります。こんな時は一泊5000円でも勿体ない気がします。そんなときは、私は迷わずリラックス系のネットカフェを探します。韓国や台湾では対戦ゲーム場となっていますが、日本のネットカフェは漫画喫茶の延長にあり、ゆったりくつろげる空間で寝心地も良い。富山駅前のワイプ富山店を利用しましたが、23時から６時間のナイトパック料金が1200円だったかな。パーティションでプライバシーが保たれ、座席はマッサージチェア。パソコンとインターネットが使い放題。もちろん漫画も読み放題。コーヒーやソフトドリンクも飲み放題で、ベッドが椅子になった以外は、どんなホテルよりも楽しかった。仮眠とはいえリフレッシュできました。

残念ながら富山店は閉店してしまったようですが、富山自体のネットカフェは増えています。注意点としては、賃料の安いところに開店するため、駅からやや遠くなる傾向があります。地方では駅前立地よりロードサイドが多いですね。タクシー代とのバランスを考慮する必要があります。

失敗したな、と思った宿はカプセルホテルでした。和歌山で一泊して懲りてしまいました。カプセルホテルって、泊まるところと言うよりも、酔っぱらいが朝まで夜露をしのぐ場所なんですね。談話室の大声が蚕棚まで響きますし、カプセル単位の空調ができないので、室温がぬるく寝苦しい。ネットカフェとカプセルホテルなら、ネットカフェの方が良いし、ファミレスで粘った方がマシです。もちろん、快適で熟睡できるカプセルもあるとは思いますが、もう試す勇気がありません。

そんなわけで、私が宿泊を考える場合は、旅の窓口→東横イン→グリーンズ→ネットカフェ、という順に手配します。高校生の頃は駅の待合室で夜明かし、という無茶もしましたが、さすがにそこまでの苦行は選ばなくなりました。もっとも、氷点下になっていた美深駅の待合室で、自動販売機の灯りで星新一の全集を読んだ夜は、どんな宿よりも懐かしく思い出されます。