俺言魂(おれごんだましい):平田孝 スポーツ教育者

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スパイ疑惑を晴らした耳 - アフガニスタン  ローマへの道 -4-

パキスタンからアフガンに向かう。

アフガニスタンの周辺国には、語尾に“スタン”のつく国が多い 。
イスラムでは“スタン”とは国と言う意味らしい。
パキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン……
60年前はソ連の連邦国(CCCP)で、世界的なレスリング強国だ。ソ連が崩壊しロシアとなり、各“スタン”は独立国家になった。

レスリングの修行巡りはパキスタンから次の訪問国アフガニスタンへ。

Lake Band-e-Amir, Afghanistan
Lake Band-e-Amir, Afghanistan / Carl Montgomery


厳しい検閲!多量のフィルム持参にスパイ疑惑!

検問所に到着した。持ち物や身体検査は厳しい。

特に撮影カメラ関係の調べが厳重だ。撮影済みカラーフィルム30本、新品20本、合計50本は問答無用で開封された。

二人の検査官が一本一本、ケースから引き出し、全フイルムを明かりに向けて検視。映像無しと判断すると次々に大型ごみ箱に投げ捨てられた。

疑い深くフイルムをむしり取り捨てる監査官たち。野蛮なアフガニスタンの検問所。

Soldier inspection
Soldier inspection / The U.S. Army


醜い耳もケガの功名?

はじめはフイルム持参のスパイと疑われたが、最後には“耳のカリフラワー”がレスリング選手であることを証明してくれた。調理用短刀を腰に下げていたというのにスパイ疑惑も解消された。

”醜い耳もケガの功名”だ。

私はそれまでの3年間に米国始め、アジア、ヨーロツパと十数か国を訪ねたが、通関でトラブル、問題視されたことなど皆無。

アフガニスタン訪問をあきらめた。安全第一。命あっての物種だ。世界最先端の文化国家アメリカから、砂漠未開地の多いパキスタンまで渡り歩いた。しかしこのこの異常な厳重さに「アフガンは危険な国」と決断した。3か月の貴重なフイルムの損失は大きいが命は惜しい。

されど私がアフガンで得た精神的な収穫は大きい。
米国からアフガンを体験し、天国と地獄を見た思いがした。

あれから60年近くが過ぎたが、周囲諸国での紛争は未だ絶えない。

今でもネットニュースでアフガニスタンを見かけると、当時が鮮明に蘇る。
茫漠とした砂漠大地が目に浮かぶ……。

130211-A-YI554-468
130211-A-YI554-468 / USASOC News Service
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