俺言魂(おれごんだましい):平田孝 スポーツ教育者

心と体を鍛え
地球上どこへ行っても
胸を張って生きられる
知的な野生人になろう

褒めて伸ばす

海のこちらのオレゴンで、海の向こうの明るいニュースを読んだ。

東京駅で東海道新幹線の清掃業務を担当する会社の女性職員から、
北海道毛呂山町立川角中学に封書が届いた。
感謝と感動の手紙だった。

いつものように列車が到着。清掃しようとしたところ、座席まわり、通路にチリ1つなく。ゴミはデッキに整然とまとめられていたという。

手紙には
「校長先生はじめ先生方の行き届いた、学生さんに対する思いの深さを感じながら、楽しく清掃させていただきました。ひとこと”お礼を言いたく、筆を筆をとりました」
と書かれていた。

この列車には川角中学の2年生123人が乗車していた。京都、奈良の修学旅行で「のぞみ」を利用し、東京に到着。生徒はゴミ袋を持参しており、床に落ちた菓子などのゴミを拾い集め、ゴミ袋はまとめて車両の出入りの脇に集めた。ヘッドカバーも張り直されていたという。

大里冶泰校長のコメントもいい。
「30年の教師生活で初めて。あたり前のことをやって、それを認めくれる人がいることに感謝の気持ちでいっぱいです」

こうした指導者の元、生徒の皆さんはきっと素晴らしい学園生活を送っているのだろう。
生徒にとって修学旅行の終着駅は人生の始発駅かもしれない。ほめられた手紙を自信に、社会人としての精進を期待したい!。

川角中学のある北海道は、私のレスリング関係の友人が沢山いる。そのうちの3人は私とローマ五輪でいっしょだった。北海道は人づくりには最高の環境の地だ。

大里先生54歳。熱意がある校長先生だから生徒を動かせた。これからも北の大地で、しっかりした人間をたくさん育ててください。

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かつて私も大学の教師だったころ、週末や春夏の休みにこどものキャンプ教育活動にも力を注いでいた。小学生のスポーツキャンプ。私のレスリングや武道の体験からの発想が指導方針で、スポーツをやるわけではない、普通のこどもが対象のキャンプだ。

目標は「おもしろいキャンプ」その中で集団生活を学ぶ。伊豆を始め、千葉県の片貝、石川県の金沢……。

中でも北街道の大沼は、特に印象深いキャンプだった。

国民宿舎を利用しており、子どもたちが廊下をばたばた走るので、客から苦情が起きた。全員集合させ、お説教。「他人に迷惑をかける者は参加資格なし!」と怒鳴ると「シカクがなければ三角があるよ」と切り返される。実に面白かった。

千葉県の片貝キャンプでは、海岸で行方不明のこどもを探して大汗をかいた。その子は500メートルほど離れたグループにまぎれこみ砂遊びをしていた。

私のキャンプの最大目標は「楽しむみながら協力しあい、全員無事終了」だ。

その後、タートルクラブは、スポーツ道場となり、米国に本拠を移し、日本各地と、米国のカリフォルニア州、オレゴン州など開催し、トータルで1万人を超えた。もちろん全員無事終了している。教え子に手を上げたことはない。反抗する子に対しても、その口ぶりを楽しんだ。新しい考えを貰った気がして、むしろ褒めた。

そんな私は、実は以前から、政府と教育界がたるんでいると感じていた。問題解決に具体性が無い、関係者に熱意と責任感が感じられない。スポーツ界も同じ。報道は、専門家と称する連中の会議ばかりで具体的な結論なく、ラチが開かない。いじめの自殺の件などは3年越しでも、未だに結論が曖昧である。

暴力的指導に関して言えば、要するにビンタや体罰は学校の指導には無用だ! ビンタする、なぐる ける これみな暴力。ついうっかり手が出た!、そんな自制心の無い危険人物を指導者に選ぶ組織の責任は重いのだ。

そんな報道ばかりで暗澹としていたところに、北海道の清々しいニュース。こういう報道をもっとやったらいい。悪い事例を挙げるより、良い事例を挙げる。良いことはちゃんと褒める。それがないから世の中が荒んでいくのではないか。
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