俺言魂(おれごんだましい):平田孝 スポーツ教育者

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知的な野生人になろう

米国のシーズン制スポーツ制度 複数スポーツが学べる制度   

米国の学校クラブスポーツはシーズン制である。プロスポーツもほとんどシーズン制だ。   

競技種目にもよるが、どのスポーツも3か月前後で、後はシーズンオフになる。学生は希望により、他のスポーツを選ぶ。そしてそのスポーツのシーズンが終わると、また希望に応じて他のスポーツに移る。

もちろん、ひとつの競技に専念したい選手もいる。オリンピックを目指す選手がそうだ。彼らは次のシーズンまで、プライベートで自主トレーニングに励むのだ。米国レスリングはカレッジスタイルだから、オリンピックを目指す選手は、プライベートのクラブで一年中練習できる。体操なども多分同じ方法で練習していると思う。ただし、特別に許可を得た以外、学校は利用できない。学校はシーズンオフである。だから日本の学校スポーツのように、「そこしか拠り所がない」という拘束感は薄く、視野が狭くなるという不安もない。

KJ 2012 season.jpg

参考までに孫たちのスポーツ活動を紹介する。

長男のマルコムは大学3年。幼児期はレスリング、といっても遊び的格闘ごっこだった。小学生時代は民間クラブでフラッグフットボールをやっていた。フラッグフットボールは防具がなく、腰に手ぬぐいを付けて取り合う。タックルはない。

高校はバスケットボール、フットボール、陸上競技の短距離。幅跳び三段跳びをやった。陸上はオレゴン州大会の400mと800mリレーで活躍し、チーム団体優勝。フットボールはオレゴン州南北代表大会に選ばれ、北部チームを勝利に導き、優秀選手賞を受賞した。

次男ケネディは、現在高校4年。中学時代は野球、レスリング、陸上の短距離と幅跳びの選手。高校ではバスケットボールとフットボールで頑張っている。昨シーズンは両スポーツのレギュラー選手で活躍した。現在は自主トレーニングで体力作りをしつつ、秋の大学進学のため準備中である。

三男のマーシャルは中学最終学年で、幼児期にレスリング。小学生時代にフラッグフットボール、中学生でバスケットボールとフットボール。サッカーもやったが、学校にクラブが無いので、プライベートクラブで活動した。現在は、秋の高校入学準備と体力作り中だ。

米国のシーズン制スポーツは効果的で、複数競技を練習することによって、さまざまな筋力を養える。相乗効果があり、精神的にも気分転換にも優れた制度だと思う。 シーズン制スポーツ制度の真価は、世界記録やオリンピックの度に、100個超のメダルを獲得した実績でもわかる。アメリカンパワーは、いろいろなスポーツに挑戦する精神から生まれるのだ。これもフロンティア精神の名残だろうか? 

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日本で報道されている学校の事件は、いじめ問題については特に、学校側の発表に事実の隠蔽などあり、正確な事が我々には伝わって来ない。だからハッキリした意見を言うのは難しい。

大阪桜宮高校バスケット部員自殺は、明らかに、暴行が原因で、これはもう刑事事件だという意見に私もおなじだ。

何度も言うが、本来、学生スポーツは、スポーツを通じての道徳教育『モラル』人格形成と、青少年の健全育成のためであり、勝ち負けが目的であってはならない。

スポーツで強豪高の名声を利用し、生徒を集めて経営するような学校が、以前から全国にもある様だが、名声もエスカレートすると、生徒を犠牲にするようになるのだ。50人からのチームメイトがいながら、孤独で悩んだすえ自ら命を絶った本人を思うと、他事ながら気の毒で残念だ。

米国のシーズン制スポーツを見習えとまでは言わないが、日本のスポーツ教育はもう少し視野を広げ、本来の教育の意味に立ち戻ったほうがいい。
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