俺言魂(おれごんだましい):平田孝 スポーツ教育者

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四日市市長選挙 岩名秀樹さんの応援に来ています。

平田孝です。半年ぶりに日本に帰りました。いま四日市にいます。私のアマチュアレスリング選手時代からの盟友、岩名秀樹さんが四日市市市長選挙に出馬したので、その応援に来ました。ライバルは田中俊行氏で、一騎打ちです。

岩名秀樹さん、田中俊行氏ともに無所属です。しかし田中氏は民主党推薦です。民主党といえば岡田元代表、岡田家と言えばジャスコなどイオングループ。この四日市市は創始者の岡田惣左衛門が創業した地です。となると、岡田さんと民主党としてはどうしても勝ちたい。つまり、岩名秀樹さんにとっては強力なライバルです。

しかし、岩名秀樹さんもベテランの政治家です。三重県議を30年以上も務め、3回も県議会議長を経験しました。様々な党派が集まる議会で、議員全員一致で議長に選ばれています。それだけ彼は人望が厚く、党派の壁を越えて後輩に面倒見がよく、人間として魅力にあふれている。それを誰もが認めています。私たちがアマチュアレスリングで培ったスポーツマンシップを、人生に活かしてきたからです。彼の考え方の根底にスポーツマンシップがあるんです。

岩名秀樹さんが、今回、無所属で出馬した理由もそこにあります。彼はもともと自民党ですが、議会で全党派の議員から議長に選ばれました。もちろんその中には自民党も民主党もいます。だから彼は、そうした三重県代表議員の意志を尊重し、党派を超えて活動するために無所属としたんです。オリンピック選手が国の代表だけではなく、世界人類の代表として活動するようなものです。私はそこに、彼の「粋」を感じます。

私は今、アメリカのオレゴン州に住んでいます。アメリカでは先頃、大統領選挙が行われ、黒人初の大統領、オバマ氏が当選しました。誰もが不可能だと思ったことでしたが、奇跡が起きました。実は、今回、私は岩名秀樹さんを応援するにあたり、アメリカ大統領選挙の各陣営を何カ所か見物してきました。そこで解ったことは、いままで選挙に関心がなかった若い人たち、そして、アメリカの政治への参加をあきらめていた、つまり、投票権を持っているのに行使しなかった人たちが、最後の最後に、オバマ氏への支援を表明し、行動を起こしたんです。選挙の最後の3日間、不在者投票の出口調査の結果でオバマ氏が健闘していることを知って、ようやくアメリカ市民は目覚め、行動を起こしました。

ライバルのマケイン陣営は潤沢な資金を持っています。奥さんはビール会社の社長で、何億でもすぐに出せる。マケイン氏自身も広大な牧場を持っています。それに対して、オバマ陣営のうしろだては貧弱でした。そこで、彼の支援者たちは、多くの人々に支持と寄付を求めて活動しました。ひとり15ドル。15ドルだったら出せるよ。オバマさんがんばれよ。若い人たちが動き出しました。それを見て、親たちも心を動かされました。なんで俺がレイオフされたんだろう。いままでの政治がよくなかったんじゃないか。こんな政治や世の中は変えなくちゃいけない。こうした動きが、大統領選挙のラスト3日間で雪崩現象を起こし、オバマ氏の大逆転となったわけです。

ふりかえって、四日市はどうでしょうか。いや、日本と言い換えてもいい。若者たちはあまりにも政治に無関心で、田舎の人たちは目先の付き合いや利益だけで投票してしまう。ほんとうに政治を、いや、四日市をよくしようと思っているでしょうか。前回の投票率は42パーセントだそうですね。残りの6割の人は何をしているんでしょう。私は岩名秀樹さんを応援していますが、みんなに岩名秀樹さんに絶対投票しろとは言わない。いや、ほんとは言いたいけれども(笑)。だけど、まず投票しましょう。みんなで投票して、結果が出たらそれを受け止める。そして、そこからみんなで四日市について考えていけばいい。自分たちが住み心地のよい四日市にすれば、自分たちが幸せになれる。

だから、いままで政治に無関心だった人も、ぜひ今回は選挙に行ってほしいんだ。そして、二人の候補者の言うことをよーく聞いて、とくに岩名秀樹さんの言うことをよく聞いて(笑)、投票してほしい。市民全員がまとまって、市をよくしなくちゃ行けない。国政が不安定な時です。そんなときは、ひとつの政党だけから支持を得る人よりも、どの政党とも上手につきあえる人を選ぶべきです。


平田孝 スポーツ教育者(1960年第17回オリンピックローマ大会日本代表選手)
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