俺言魂(おれごんだましい):平田孝 スポーツ教育者

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あしあと <2> 夢のなかの孫悟空

私は昭和11年1月15日に東京で生まれた。

大田区中蒲田4丁目の角店で、平田屋という海産物と缶詰などの問屋だった。

小売屋さんへの配達が忙しいので、両親も終日忙しい。したがって、祖母に面倒をかけることが多かった。いつも寝る時は祖母に本を読んでもらった。『冒険だん吉』『のらくろ』など、どれも夢があり面白かった。

その中でも『孫悟空』の物語が一番で、孫悟空が“きん斗雲”と言う雲に乗り、世界中何処へでも飛んで行く。そんな夢いっぱいの物語に、興奮して寝られない夜が何度もあった。なにしろそれは、ひとっ飛び10万8千里(432,000キロ)の術だ。悟空は地球の周りをグルグル回りながら、三蔵法師の天竺までの旅を助けるのだから偉いもんだ。だから夢の中ではいつも、「孫悟空は凄いが、それを家来にした三蔵法師は偉い坊さんだ」と思った。

蒲田の加藤幼稚園には祖母が懇願し、特別に早く入園した。通園が楽しかった。徒歩だから、毎日道草ができるからだった。

4歳の頃から兵隊さんに憧れていた。親戚が入隊するのを見送ったり、祖母や親父と観兵式をみたり。特に海軍大将東郷元帥。日露戦争にバルチック艦隊を破り、英雄となった東郷元帥に憧れていた。だから五月節句のお祝には子供用のセイラー服を着たものだ。戦争の恐ろしさなど、勝っていると、誰も判らないのだ。
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